通訳の収入は高いの?

グローバルな仕事

2006年に創業以降、通訳・翻訳から人材サービスまで展開しており、現在1000名以上の翻訳者・通訳者と仕事をしています。
最近は少し少なくはなりましたが、通訳になりたいという人から、どうすれば通訳者になれるのか、また本当に稼げるものなか、と質問が多くきます。今日はその質問に対してお答えしていきたく思います。

通訳の年収はズバリ!

早速ですが、通訳の平均年収についてお答えします。
平均年収は 400~600万円 で、ハイレベルな通訳者は1,000万円を超える人もいます。

日給計算すれば、1日8時間で、15,000円~60,000円となります。さてこの金額は高いように見えますが、実際、ワリに合うラクな仕事なのでしょうか?

通訳の仕事の特徴

では実際、通訳の仕事の特徴についてご説明します。

毎日仕事があるわけではない

特にレートの高い仕事(例えば1日6万円)の仕事は毎日ありません。
通訳を必要とするシーンは、主に海外とビジネスの重要な交渉や意見交換の時に通訳が使われます。こういった場面で意思疎通ができないとビジネスが成功しません。しかしなかなか自分の意見を英語で話すというのは、それ相応の語学力と場慣れができないと難しいのは皆さんも体験されていることと思います。そこでプロの通訳の登場となります。

というように、このような会議は同じ会社で毎日行われるわけではありません。1-2週間続くものはありますが、1日中会議ということはあまりありません。会議はあくまでお互いの合意や交渉を行う場所であり、決められたことは運営していくだけになるからです。

1日15,000円くらいの人の仕事は、1~4週間続くことがあります。派遣で会社での通訳に入っている人では3か月とか半年などもあります。
ただし、1日6万円の仕事は毎日ない、これが事実です。1カ月20日働いたら120万円!ということはありえません。

事前準備に時間がかかる

通訳の仕事は同じ職場で毎日あるものではありません。しかし毎日どこかの会社で通訳を必要とする会議が開かれています。厳密にいえば、シーズンもあり、秋からクリスマスにかけてが一番多い時期になります。欧米でクリスマス前までにある程度物事を決めておきたい、というためだと、アメリカ人ビジネスマンから聞いたことがあります。

毎日職場が変わるということは、毎日の主題や専門性も変わります。ハイレベルの通訳が入る会議は、会議自体の難易度も高く、通訳者は1時間の会議の場合、事前準備に2~3時間費やします。つまり2-3倍は時間をかけるということになります。

たとえば、1日8時間の通訳の場合は、1~2日くらいかけて資料を読み込むのです。英語も日本語も。書いている内容がわからなければ、調べて本質を理解する、などなかなか骨の折れる事前準備なのです。しかしこの事前準備をどれくらいしたか、で通訳がうまくできるか変わってきます。ベテランさんは時間を少なくてもできますが、慣れていない人はそれ以上に時間を作って読み込みをしています。

通訳になるまでにかなりの投資

通訳になるには、語学力と専門性さえあれば、だれでもなることができます。しかし同時通訳となると、特殊なトレーニングが必要となります。稼げる通訳者になるには、同時通訳もできるようにならないと、仕事の幅が狭まってきますので、多くの通訳者が同時通訳のスクールに通っています。

その通訳スクールの授業料が非常に高くて、週1回の授業で、年間60~100万円かかります。1年でスキルが身につく人は少なく、多くが4-5年通っています。
いくらお金を使うかと言えば、250~500万円をスクールに払うのです!

といど、それは学ぶため、スキルをつけるために行っているので、行って勉強するのは非常に大切な事であります。私も一時、行っていたことがありますが、週1回の授業のために1週間ビッチリ予習復習をしなければならず、かなり大変です。しかしその当時は大変と思ったことはなく常に毎日進歩しているという感覚がありました。
英会話スクールに行くより、真剣度が高くずっと英語も身に付きます。

通訳の年収が高い人で平均600万円なので、ハイレベルまで行けば元はとれますが、この投資額はかなりの額であります。

通訳業界と将来性

じゃあ、通訳になってみよう!と思う方、今後この市場は有望なのか、と心配も知れませんので、最後に現在の日本の通訳・翻訳市場について説明します。
日本の通訳・翻訳市場は約3000億円あります(2019年)。このグラフでご覧の通り、語学市場は9000億円です。意外に英会話市場は3530億円で、さほど市場規模は変わりません。派手さは英会話の方が1000倍ほど目に付きますが。。

通訳翻訳市場のうち、通訳だけなら、500億円になります。翻訳のほうが5倍ほど多いとなります。うちの会社でも翻訳のほうがやはり3-4倍多いです。

500億が多いか少ないか、これを365日でわれば1日1.3億円、結構仕事はありそうですね。

ですが、AI翻訳技術が向上し、今後通訳の仕事はなくなると言われています。実際、私のある程度はとってかわられると思っています。

しかし、お金が絡むものや、微妙な言葉使いで交渉を続けるもの、には通訳が必ず必要です。なぜならAIは、文脈を理解しているわけではないからです。
AIによってなくなる通訳は、簡単な中学生英語の通訳。もっと複雑で心を動かす通訳をするには、人間が必要になります。

まとめ

〇 通訳の平均年収は、300~600万円。(1000万円を超える人もいる)

〇 しかし、ワリが良い仕事でもない。
(毎日仕事がない、事前準備に通訳の日より2-3倍かかる、通訳スクールの費用が高い)

〇 今後、通訳の市場は緩やかに上がっていくので、通訳の仕事はなくならい。ただし、中学英語や専門性のないものは淘汰されていく。人の心を動かせる通訳になれば代わりはない。

AIに勝てるのは、心の表現です。うまく共存していきましょう。

英語の名言を覚えてワンランクアップ

We must interpret a bad temper as a sign of inferiority.

私たちは不機嫌を劣等感の表れと解釈しなければならない。

(アドラー)

通訳者のことを英語ではinterpreterと言います。解釈という意味でも使います。アドラーのこの言葉は別の意味で心の響きます。

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