
今日は残業と天引き額の関係についてお話します。
毎年7月に従業員の健康保険・厚生年金が改定されましたと、日本年金機構から会社へ届きます。ドキっとするんです 今年も届きました。
ほとんどが上がらないのですが、保険料が上がる人、下がる人がいるんです。
今年も何名かアップしていました、特にうちは人材派遣会社なので社会保障の対象者が多いです。
私は経営者なので、この金額が上がると、「健康保険・厚生年金」をみんなが払っているのと同額を納めなければならず、会社の負担が増えるので経営者としては嬉しくありません。
皆さんも、給料から天引きされる額が増えるので、嬉しくないですよね。
今日はこの社会保険料の計算方法をお話しし、これが上がらないようにするためのどうすれば良いかということを伝えします。
この事実、知らないと損します!
結論として、3・4・5月に残業をしないこと、ということになります。保険料の計算基準は毎年の4-6月に支給される給料の平均金額ベースにするからです。では詳しくお話ししていきます。
まず、給料から引かれるものは何であるかを説明していきます。
それが各種社会保険と、税金です。
これらは法律で決まっているもので、どこの会社でも給与所得者へは給与から天引きされます。ご存知の方はおさらいとして聞いてください。
所得税
所得税とは、毎年年末までの1年間の収入に対してかかる税金。
その年の収入は12月31日ならないとわかりませんし、年末に1年分の税金をまとめて払うのは負担がかかります。
そのため、毎月の収入額に対して概算で出した所得税を天引されることとなります。なお概算による税金の前払いのため、年末調整という形で清算されます。
多く支払いすぎていた場合は還付され、12月か1月の給料に加えて支払われます。

プチボーナスみたいな感じでうれしいものです。
住民税
次に住民税。これは去年1年間の所得に対して課されます。
今年の6月から来年の5月までの12カ月で分割して天引きれます。
去年の所得に対するものなので、新入社員の初年度の住民時はかかりません。
会社員で2年目になったら住民税が課されるので、手取り額が減るという現象があります。
各種保険
厚生年金とは、65歳から年金を受け取るための保険です。
40歳以上の方には、将来介護サービスを利用するための介護保険というものも引かれるようになります。
続いて雇用保険、これは将来の失業などに備えるための保険料です。毎月の給料の額に連動していますが、あまり大した大きな額ではありません。
この中でも、健康保険と厚生年金の保険料、これらは、4月・5月・6月の3ヶ月間に支給された給与の平均額でその料金が決まります。
そしてそれは今年の10月の支給される給与から次の年の9月まで適用されます。
4月・5月・6月に支給される給与ということは、会社によって締め日が異なりますが、通常、3月・4月・5月の残業代は、それぞれ翌月の4、5、6月の給与に反映されます。
つまりですね、3、4、5月に残業が多いと、計算基準の額が上がるということになります。
具体例

具体例を挙げます。例えば、30代のA子さん、月給20万円とします。
この人の毎月の健康保険は赤い線の中、10,190円、年金は18,300円です。標準報酬月額です。たまたま3,4,5月に残業が多くて、この3か月の平均の給料が22万円になったとします。
この期間のこの金額をベースにして、次の10月から1年間の引かれる保険料が決定されます。A子さんの次の保険料は、赤い枠線の一つ下の緑の行になります。
ワンランク上の料金が適用されるようになります。つまり、A子さんの場合10月からはトータル2千円引かれる金額がアップすることになります。
さっきもお話ししましたが、ここ見てください、折半額とかいています。
健康保険料・厚生年金保険料は、従業員が支払う額と同じ額を会社も支払っています。
A子さんの場合、以前は10,190円、年金18,300円あわせて約3万円を皆さんの将来のために支払っているのです。
これが上がるとなれば会社としてもコストアップになるので、3月から5月に残業されると会社としてもうれしくないわけです。
でも、うちは人材派遣会社なので派遣先の状況にもよるので泣きそうです。
損ばかりではナイ!
上がってしまった。手取りが減るから私は損。
と思ってらっしゃる方、実は損ばかりではないことをお話しします。
毎月の保険料は、病気や高齢など、働けなくなった時のため素晴らしい仕組であります。例えば出産で会社を休む時に受け取れる出産手当金や、病気やケガで会社を休み時に受け取れる傷病手当、または退職後の年金や一家の大黒柱を失った後の遺族厚生年金、これらの支給額は残業代を含めた標準報酬月額をもとに計算されます。
ですから、残業を多くして引かれた分、このような時にもらえるお金は増えます。
また、所得税や住民税は、健康保険料や厚生年金保険料を差し引いた後の所得、いわゆる課税所得に対して課税されるため、引かれる保険料が大きくなると、税金をかける対象の所得が小さくなり、所得税と住民税の額が下がるいます。
今、もらう給料が少なくなるか、将来に多くもらうか、、誰でも「今」が多くほしいですよね。
でもこの引かれる額も、次の3-5月に残業を少なくすれば、次の年の社会保険料が減ります。
まとめ
はい、今日のまとめです。
- 毎月給料から天引きされているものには、所得税・住民税の税金と社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険・介護保険)がある 法律で定められています。
- 税金も社会保険も所得によって変わり、社会保険料の計算方法があり、毎年3・4・5月の所得をベースにするため、その時期に残業を多くすれば、10月からの給料で引かれる社会保険料が高くなります。その料率が1年間適用される。その高くなった社保は会社も同額払うので、会社の負担も増える。
- できれば3-5月の残業を少なくして、給料を上げないようにする。

仕方なく上がってしまった場合でも嘆かず、将来貰う額が増えると納得しましょう!